日本にもゴスペルを楽しめるサークルは多くあります。
ゴスペルは黒人の歌ということを知っている人も多くいますが、どの様なものであるかを知っている人は中々いないものです。
ゴスペルが世界に広まるまでには以下の様な歴史があるのです。
・黒人霊歌としての生まれたゴスペル
ゴスペルの歴史はアメリカの奴隷制度から始まります。
17世紀にアフリカ大陸からアメリカ合衆国に強制的に連れてこられた黒人達は、奴隷として働くことを強いられました。
まともな人間として扱われることはなく、過酷な労働をさせられる奴隷制度の中、黒人達は聖書を学び始めます。
そして時間のある時に黒人達だけで集まり、神に祈りを捧げながら歌う様になるのです。
その歌は黒人霊歌(スピリチュアルズ)と呼ばれ、現在のゴスペルの元になっています。
内容は自由や解放を求める歌詞と神への感謝の言葉で、リズムやハーモニーには即興性が多く見られます。
・ゴスペルの誕生
19世紀になると、黒人霊歌はステージ向けのパフォーマンスとなり、アメリカ全土に広まります。
黒人の演奏する黒人霊歌が白人の聴衆に受け入れられ始めます。
20世紀の初めにはブルースやジャズ等黒人発祥の音楽が広まり、音楽業界が活性化します。
そして黒人霊歌とブルース・ジャズが融合して「ゴスペル」と言う音楽のジャンルが誕生したのです。
リズムに乗りポップな曲調で大衆的なゴスペルは、教会音楽の中でも余興として広まっていきます。
・クワイヤへの進化
クワイヤとはゴスペル特有の3度のハモりで歌うスタイルのことです。
大人数で歌うのに簡単で迫力が出ることからゴスペルのスタイルとして取り入れられました。
耳に馴染み易いことから続々と新曲が発表されたり、コンサートが行われる様になり、「ゴスペル=クワイヤ」というスタイルが確立したのです。
この頃になるとゴスペルはもはや教会音楽というよりも、教会音楽発祥のポップミュージックという色合いが強くなっていきます。
この様にしてゴスペルは世界的に広まり、日本に伝わってきたのです。