こんにちは、田中直人です。
2020年テレビ東京『THEカラオケ★バトル』優勝者をはじめ、25年間で1万人以上をレッスンさせて頂いております。
「ゴスペルとは、何?」
と聞かれて即答できる人は少ないのではないでしょうか。
そこで、最低限知っておくべき、ゴスペルの基礎知識を解説します。
ゴスペルとは何?【基礎知識】
ゴスペルと聞くと、「黒人が教会で歌ってる歌」というイメージが湧きますよね。
ゴスペルは、日本ではまだそれほど馴染みのあるものではありませんが、ゴスペル発祥の地、アメリカでは日曜日の朝、教会にたくさんの人が集まってゴスペルを歌います
ゴスペルは歌うことで、エネルギーが高まったり、勇気が出たり、聴く人を魅了したりできる歌なんです。
「黒人しか歌えないのかな?」と思うかもしれませんが、そんなことありません。
日本人だって少し練習したら、上手にゴスペルを歌うことができるんです。
「ゴスペル」の意味
ゴスペル(gospel) の語源は「god-spell」、日本語に訳すと、福音(ふくいん)となります。福音(ふくいん)とは、「喜ばしい、よい知らせ。」を意味しています。
ゴスペルを歌うことは、「イエス・キリストが生まれてきたことと、彼のすばらしい教えをみんなで喜ぼうよ!」(=good news・良い知らせ)という意味合いが、込められていると言われています。
黒人霊歌がゴスペルの源になっている
ゴスペルがゴスペルと呼ばれる前は、黒人霊歌として、歌われていました。
ゴスペルは、アフリカの黒人の歌う黒人霊歌に、西洋の白人が歌う讃美歌や聖歌が、融合された歌です。
黒人霊歌」と「ゴスペル」を比べると、「黒人霊歌」の方が黒人らしさがより出ています。
ホワイトゴスペルとの違い
ゴスペルは2つに分類できます。
- ゴスペルミュージック
- コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック(ホワイトゴスペル)
「ゴスペルミュージック」とは、アフリカの音楽を母体として、奴隷の黒人達から出来上がった音楽です。
一方、「コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック(ホワイトゴスペル)」とは、白人が歌うゴスペルのことです。
どちらも素晴らしい音楽で、歌声の深みだったり、魂の叫びのようなものを感じたかったり、涙が出るほど感動できる音楽が、ゴスペルミュージックの特長です。
奴隷時代の苦しみや悲しみの中に希望を見つけ歌った歌声(ゴスペルミュージック)は、まさに人に感動を与えますね。
ゴスペルの歴史
ゴスペルが歌われるようになった背景には、アメリカの奴隷制度の深く、悲しい歴史が大きく影響しています。
17世紀、アメリカ人は、アフリカ大陸から多くのアフリカ人を奴隷として、アメリカに連れてきました。
奴隷として連れてこられたアフリカ人は、自分たちの自国の言葉と、信じていた宗教を取り上げられてしまいます。
そんな中、奴隷の中から、キリスト教を信じるアフリカ人が出始めました。
彼らは、キリスト教の影響から、慣れない英語ではあるものの、聖歌や讃美歌を黒人独特の訛りで歌い、自国のアフリカの音楽と融合させていったのです。
こうして、奴隷生活の中で、ゴスペルは生まれていくことになったのです。
ゴスペルの母体【アフリカの民族音楽】
アフリカの民族音楽は、どこか陽気で、明るく、聴いていてワクワクする音楽が多いのが特徴です。
太陽の下で、太鼓の音とともに楽しく力強く、踊りながら歌うイメージが強い、アフリカの音楽は、アフリカ人にとっては、魂そのものと言えます。
この魂の音楽が、アメリカで新しい音楽として発展していくことになります。
ジャズやブルースは、もともとアフリカ系アメリカ人の、独特のリズム感覚と民俗音楽が、源となって生まれました。
ゴスペルによって違う音色に【ヨーロッパで生まれた讃美歌】
讃美歌は、キリスト教の中でも、特にプロテスタント教会によって歌われる、神様にささげる歌です。
讃美歌の歌声は、歌詞が美しく、音色がきれいなのが特徴です。
有名な讃美歌
- アメイジング・グレイス
- ジョイフル・ジョイフル
- きよしこの夜
この辺りは、一度は聴いたことがある歌ではないでしょうか?
特に結婚式では、パイプオルガンの音色とともに、聴く機会が多いですよね。アフリカの音楽とは、少し違います。
ゴスペルと宗教の関係
ゴスペルが生まれた背景には、アフリカからアメリカに連れてこられたアフリカ人が、自国の言葉と宗教を奪われ、キリスト教に改宗したことが、1つのきっかけとなっています。
アフリカ人はつらく厳しい奴隷生活の中でも、希望を忘れることはありませんでした。
「神様は自分たちを見捨てない」という願いを込めて、大した教育も受けていない英語で、独特の黒人訛りの歌声で情熱的に歌いました。
ここで、アフリカンミュージックと西洋の讃美歌が融合します。
奴隷という残酷な歴史がなければ、ゴスペルは生まれていなかったことを考えると、なんだか複雑な気持ちになります。
「ゴスペルとは何?」←コレが分かる映画3選
「ゴスペルは何となく分かるけど、まだちょっとよく分からない…」という方に、ゴスペルの魅力が伝わる映画を3つ、ご紹介します。
ゴスペル映画①「天使にラブ・ソングを…」
「天使にラブ・ソングを…」は、1992年に作られた作品です。
主演のウーピー・ゴールドバーグは、この作品で有名になりました。
歌うことの楽しさや、歌が人を元気づけることができることを教えてくれる作品です。
「天使にラブ・ソングを2」は、歴史的に見て初めて、アフリカンアメリカ人が監督した作品として、黒人に愛されています。1作目の同じように、歌唱力も楽しめる作品となっています。
1も2も、ウーピー・ゴールドバーグの歌声が素晴らしく感動することでしょう。
ゴスペルを始めたいと思う人は、まずはこれを見るとイメージが湧きやすいですね。
ゴスペル映画②「ジョイフル♪ノイズ」
全米を対象に開催される、ゴスペルコンテストのストーリ―で、ストーリ―もしっかり楽しめます。
特に後半では、迫力のあるゴスペルを楽しむことができる作品です。
ゴスペル映画③「ザ・ゴスペル」
R&B歌手の息子が、病気の父の代わりに教会を立て直しつつ、初めてゴスペルに触れていく物語となっています。
ストーリーはそれほど濃い内容ではないのですが、礼拝や教会の雰囲気を味わうには最高の作品です。
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