私の場合、ゴスペルと聞くと真っ先に映画の「天使にラブソングを」が思い浮かびます。私はあれを見てゴスペルに興味を持つようになりました。あれはまさにゴスペルの良い所を余すところなく伝えている映画だと思います。一番印象に残っているのは、やはりみんなで楽しそうに歌っているシーンです。最初は修道院らしく大人しく歌っていたのに、最終的にはリズムに乗って身体を揺らしのびのびと歌うのです。歌う喜びがとても強く伝わってきます。また、日本にもゴスペラーズという男性ユニットがいますよね。彼らのことももちろん好きです。ゴスペラーズはまず友人がハマり、その友人が紹介してくれたことがきっかけで好きになりました。ゴスペラーズと出会うまでは、ゴスペルとはあのリズム感が魅力的なのだと思っていました。全身で曲を感じ、歌うことで曲と一体化するものだと思っていたのです。ところがゴスペラーズはとても繊細に歌い上げるのです。私は彼らと出会ったことでもう一つの魅力を発見することができたのです。それはやはり声のハモリでした。人間の声だけ、というよりもむしろ人間の声だけだからでしょうか、とても美しく心の奥まで染み込んできます。音程は同じはずなのに、やはり一人一人声が違うからでしょう、無限のハーモニーを生み出すのです。なので何度聞いても飽きることなく、また自分もその中に入っていきたいと思えてきます。また、言語に関係なく楽しめるというのも魅力的だと思います。ゴスペルというのは讃美歌で、神様にささげる歌なのです。しかしそんなことは全く知らずに映画から入った私でも楽しめるので、世界中の誰もが楽しめるものだと言えるでしょう。歌詞が分からずとも聞けば楽しくなれるので、私はCDショップでも臆することなく英語表記のものを買うことができます。歌詞が分からずともリズムに乗って楽しめる、歌詞を理解して味わって楽しめる、ゴスペルにはこの二通りの楽しみ方があると思います。