初心者向け、ゴスペルとはどんな歌なのか

ゴスペルと言うと、教会で黒人たちが歌っているイメージを持っています。
しかし日本人の多くは教会でミサを経験したことがなく、実際にゴスペルとは何かを知らない人も多いのです。
ゴスペルとは、アメリカで黒人が集まる教会で歌われている歌です。
アメリカでは当然ながら、白人と黒人で教会が分かれていました。
讃美歌と言うよりもより楽しく明るく、楽しみながら歌うもので、誰かがリードを取って歌い出すと全員が手拍子を取り、声を合わせて歌います。
そもそもゴスペルとは、黒人のソウルミュージックと言えます。
17世紀にアフリカからアメリカに奴隷として強制的に連れて来られた黒人達は、酷い待遇を受けて虐待され続けていました。
そんな中で黒人は聖書の教えを信じて教会に集まり、支え合って生きて行く様になったのです。
黒人は遺伝的に音楽的なリズム感やアドリブに優れた才能を持ち、聖書の言葉を自分達なりにアレンジして、作曲をしました。
歌詞の内容なとにかくポジティブで、自由を求め、神を信じて生きて行く様子が表現されています。
その歌を仲間同志で大声で歌うことで、奴隷としての辛い運命を乗り越えていったのです。
歴史的に有名な南北戦争により奴隷制度は廃止になりましたが、実際には黒人が自由になれることはなく、今でも地域によっては人種差別が根強く残っています。
ゴスペルもすたれることなくドンドン進化を続けて、アメリカ全土で一つの大きな文化となるまでに成長していきます。
20世紀に入るとゴスペルは白人の間にも浸透して、流行歌も現れたりなど、音楽業界全体へ大きな影響を与えます。
その中で確率されたのが、3度のハモリで歌う「クワイヤ」であり、ゴスペルと言うと3部合唱を表す様になりました。
ゴスペルは現代では「黒人教会で歌われる歌」ではなく、国籍を問わず誰でも気軽に楽しめる様になっています。
多くの有名な曲も含めて、世界各国でイベントごとにゴスペルを披露するサークルも増え続けているのです。

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