大西洋を渡る奴隷船からゴスペルの歴史が始まります。
17世紀から18世紀の間にヨーロッパ諸国による「奴隷貿易」が最も盛んに行われ、1808年に奴隷貿易が禁止された後でも、アメリカ合衆国内では、黒人奴隷の生活は変わらなかったのです。
1862年に、リンカーン大統領が「奴隷解放宣言」をし。奴隷貿易は終わろうとしていたのですが、その先には人種差別などといった厳しい現実が待っていたのでした。
そんな中で、自由と解放を願いながら生み出した一つの文化が「ゴスペル・ミュージック」だと言われています。
「福音」と言ういい意味のあるゴスペルという言葉は、良い知らせやグッドニュースなどと言う意味もこめられています。
北アメリカにつれてこられた黒人奴隷が労働の間に仲間のお葬式や、教会で歌ってきた黒人霊歌のことを、スピリチュアルといわれており、奴隷解放後には、歌われなくなったのです。
スピリチュアルが歌われなくなった代わりに歌われたのが、ゴスペルだといわれています。
ゴスペルは、黒人宗教音楽に多大なる影響を与えるのでした。
キリストの賛美歌では、おなじみとなっていますが、現代社会においては聖書を歌っていないゴスペルも存在しています。
日本では、ゴスペルというと、ゴスペラースなどといったアーティストがいますが、本当のゴスペルはそんなにカッコいいものではないと言われており、綺麗な音楽の裏には、泥沼な過去も存在していると言われています。
様々な理由で土地から離れてきた人たちによって、アメリカと言う国が出来ました。
いろいろな人種がいるなかで、様々な種類の歌や音楽によって、人々の心の支えとして、生まれてきたのです。
ブルースやソウル、R&B、ロック、カントリーなど、いろいろなジャンルの音楽がありますが、全部の音楽のルーツとなっているのは、ゴスペルだといわれています。
ゴスペルは、人々の心を豊かにする音楽ですが、その裏には悲しい過去もあるのです。