ゴスペルと聞くと、黒人の人々がきれいに整列して、手をたたいたり足を踏み鳴らしたりしながら美しい合唱をしているシーンを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
そもそもゴスペルが黒人のモノとして認識されるようになったのは、アメリカ大陸に奴隷として連れてこられた黒人が、神へ救いを求める中でゴスペルに出会い、神への賛美を歌に乗せて歌っているうち、彼ら独特のグルーブやノリ方でアレンジを進めていく中で、素晴らしい作品が多く作られていったためです。
さらに知名度を上げるきっかけになったのは、”天使にラブソングを”という洋画の影響も大きかったように思われます。ウーピー・ゴールドバーグという黒人の女優が、不良の子供たちをまとめ上げて最後には信じられないほどの素晴らしい合唱を披露するシーンは、皆さんもご存じなのではないでしょうか。
特に有名曲としては、「Joyful,Joyful」が挙げられます。黒人の子供たちがそれぞれの歌声やラップ、ダンスの才能を存分に発揮し、誰にもまねできないオリジナルなショーケースを作り上げていく過程には、誰もが心躍らせたものです。
また、ゴスペルにはアカペラと呼ばれる、楽器を用いず自分の歌声だけで観客を魅了するパートもあり、そのような様々な形態を許容できる懐の広さが、ゴスペルが市民権を得る上での加速度をつける要因の一つにもなっていきました。
そしてゴスペルは様々な世界的アーティストを育てることにも成功していきました。ファンクの神様として有名なジェームス・ブラウンやサム・クックなどもゴスペル出身で、鍛えられた彼らの歌声は非常に多くのアーティストに多大なる影響を与えました。
特にジェームス・ブラウンの影響を強く受けたマイケル・ジャクソンは、ゴスペルがなければ存在しなかったといっても過言ではないかもしれません。
そして現在では教会で歌うだけでなく、さまざまなアーティストが自分のショーの中にゴスペルの聖歌隊を加えてみたり、ゴスペルのCDも発売されたりと本当に様々な場面で目にすることができるようになってきました。
これからもゴスペルは、神を信じ音楽を愛する人がいる限り、発展を続けていくでしょう。
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